劇場型半島

韓国左派、「親日」レッテルで批判封殺 保守系メディアも標的

韓国ソウルの大統領府で1日、日本の輸出管理措置について閣僚らから報告を受ける文在寅大統領(聯合・AP)
韓国ソウルの大統領府で1日、日本の輸出管理措置について閣僚らから報告を受ける文在寅大統領(聯合・AP)

 日本政府が韓国向け輸出管理の厳格化に着手して以降、そうでなくとも民族主義が強い韓国でナショナリズムが一層高まっている。それをあおっているのが与党「共に民主党」や左派系野党だ。矛先は文在寅(ムン・ジェイン)大統領の外交的無策ぶりを批判する保守系の野党やメディアに向けられている。日本の立場を理解しようとする言論には「親日派」や「売国」とのレッテルを貼り、建設的な議論を封じ込めようとする動きが垣間見える。(ソウル 桜井紀雄)

「世界が東京五輪の不買運動をする」

 「第2の独立運動となる経済・技術の独立運動に火が付くだろう」

 安倍晋三政権が2日に輸出手続き簡素化などで優遇する「ホワイト国」からの韓国除外を閣議決定したのに先立ち、「共に民主党」の李仁栄(イ・インヨン)院内代表は1日、「韓日関係の大破局を招く」として日本にこう警告した。

 「独立運動」という韓国国民の愛国心をくすぶるキーワードを前面に押し出して、日本に対する断固とした姿勢をアピールした形だ。

 与党内でも特に敵対心を隠さないのが、日本による輸出管理措置への対応を名目に立ち上げられた「日本経済侵略対策特別委員会」だ。崔宰誠(チェ・ジェソン)委員長は7月25日、日本人記者を含む外国メディアとの会見でこう日本政府を批判した。「自国企業の被害まで当然視する態度で神風自殺爆撃が行われた真珠湾空襲が想起される。日本は経済戦犯にならないよう願う」