【北京=西見由章】新型コロナウイルスの感染拡大が続く中国で、当局やメディアが日本の支援を積極的に発信している。対日感情の悪化につながる抗日ドラマの放送を取りやめるテレビ局も出てきた。国際的に孤立するイメージを打ち消すとともに、習近平国家主席の国賓訪日に向けた世論を醸成する狙いも透ける。
「日本のかつてない友好的な行動に鑑(かんが)み、後半の20話は放送を延期します」
山西衛星テレビは9日、毎日放送していた抗日ドラマ「紅(あか)いコーリャン」の放送を突如取りやめ、別番組に差し替えた。ドラマはノーベル文学賞を受賞した莫言氏の小説を基に2013年に制作。視聴者の問い合わせに対する同局のネット上での回答が拡散した。