北の非核化協議 進展は見込めず ボルトン氏インタビュー詳報 

米朝首脳会談の冒頭で握手する北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長(左)とトランプ米大統領=2018年6月、シンガポール(ロイター)
米朝首脳会談の冒頭で握手する北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長(左)とトランプ米大統領=2018年6月、シンガポール(ロイター)

 ボルトン前米大統領補佐官は7日、産経新聞とのインタビューで、安倍晋三首相がトランプ政権下で揺れる日米同盟の安定化に重要な貢献をしたと指摘し、評価する立場を示した。詳報は以下の通り。(ワシントン 黒瀬悦成)

 --トランプ大統領の日米を含む同盟に対する考え方の問題点とは何か

 「トランプ氏は、深く強固な政治的同盟がどのように機能するかを真に理解していない。日本は米国にとり今や、世界で最も関係が緊密な国の一つだ。東西冷戦から旧ソ連の崩壊、テロや核拡散、中国といった複数の脅威が台頭する一連の流れの中で、日米同盟は強固であり続けた」

 「同盟とは、会計士たちが毎年の資産や負債をはじき出す類いのものではない。長期的にみて両国の利益になるべき類いのものだ。同盟(の価値)を金銭勘定に矮小(わいしょう)化すると両国間の信頼関係は損なわれる。それは非常に危険なことだ。欧州やアジアなど世界各地の同盟諸国は集団的自衛に向けて国防費を増額させているが、同盟の強固さは2国間の支払いの収支などで判断されるものではない」

 --トランプ氏にとってはカネが全てなのか

 「トランプ氏は、欧州や日本、韓国、太平洋地域への米軍配備について『米国がこれらの国々を守っている』との認識だ。相互防衛のための同盟だとみていない。アフガニスタンでも同じ過ちを犯している。駐留米軍は不要だとして撤収を図っているが、米本土に対するテロ攻撃の脅威が増大するのは確実だ」