政界徒然草

香港、新型コロナ…共産、相次ぎ中国批判 現実路線・ソフト化アピールも

記者会見に臨む共産党の志位和夫委員長=6月4日午後、国会内(春名中撮影)
記者会見に臨む共産党の志位和夫委員長=6月4日午後、国会内(春名中撮影)

 共産党が中国批判を強めている。志位和夫委員長は香港への「国家安全法制」導入を非難する声明を発表したほか、新型コロナウイルスの感染拡大をめぐり、感染源の中国の責任にも言及した。共産党としては、中国共産党との違いを際立たせることで、党のソフト化や現実路線への転換を印象付ける狙いもありそうだ。

■天安門は今の問題

 「中国指導部はいまなお天安門事件について反省がない。事件の記憶を封印してしまおうという動きになっている。天安門の問題は今の問題でもある」

 多数の死傷者を出した天安門事件から31年となった6月4日、志位氏は記者会見でこう強調した。

 また、「わが党は事件の当初から、直ちに『断固として糾弾する。人権弾圧は絶対許すわけにはいかない』という厳しい抗議声明を発表した」と語るなど、これまでの経緯についても自ら言及する力の入れようだった。

 5月28日に中国が香港への国家安全法制導入を決めた際も、強く抗議する談話を発表。「香港への人権抑圧強化の動きをただちに中止することを強く求める」とアピールした。

 新型コロナの感染拡大をめぐっても、志位氏は2月27日の記者会見で、中国政府や中国共産党に「大きな責任がある」と非難。原因不明の肺炎発生に警鐘を鳴らした医師を摘発したことを念頭に、「初動の段階で、警告を警察の力によって抑え込んだ。言論の自由、そういう体制上の問題点がある」と指摘した。