阿比留瑠比の極言御免

「国会を止めるな」の茶番

与野党幹事長会談に臨む(左から)立憲民主党の安住淳国対委員長、福山哲郎幹事長、自民党の二階俊博幹事長、森山裕国対委員長=17日午後、国会(納冨康撮影)
与野党幹事長会談に臨む(左から)立憲民主党の安住淳国対委員長、福山哲郎幹事長、自民党の二階俊博幹事長、森山裕国対委員長=17日午後、国会(納冨康撮影)

 与野党の幹事長は17日の会談で、当面の間は新型コロナウイルス感染症に関する委員会について、週1回3時間程度の質疑を行うことで合意した。主要4野党は、直近まで会期の大幅延長を求めていたが、とりあえず「一定の成果だ」(立憲民主党の福山哲郎幹事長)と矛を収めた。

 いったん国会を閉じたい政府・与党側に対し、内閣不信任決議案提出などで下手に抵抗すると、衆院解散・総選挙を断行されかねないと恐れたのだろう。何とも締まらない結末だった。

 立憲民主党幹部らが、次のように大見えを切っていたにもかかわらずである。

 「『国会を止めるな』運動をしたい。国会を閉じるということは国民を代表する国会にチェックをさせないことだ」(8日、安住淳国対委員長)

 「『国会を止めるな』と言うのが当然だ。閉じるのは感染症対策をほうり出して逃げることにほかならず、逃げるなら政権を渡してもらいたい」(12日、枝野幸男代表)

 ただ、何かと理由をつけては審議拒否して国会をさぼっていた野党の言葉に説得力はもともとない。野党の非生産的で横柄な質問に首相や閣僚が多大な時間を費やすことが、本当に感染症対策に資するのかも甚だ疑問だった。