対中協力主導の「経産官邸官僚」退任 官邸外交に変化か

次官連絡会議の初会合に臨む菅義偉首相=18日午前、首相官邸(春名中撮影)
次官連絡会議の初会合に臨む菅義偉首相=18日午前、首相官邸(春名中撮影)

 菅義偉(すが・よしひで)政権は外交政策でも安倍晋三政権の路線継承を掲げるが、政策決定のあり方は変わりそうだ。中国の巨大経済圏構想「一帯一路」への協力に慎重だった外務省に対し、対中協力を主導した経済産業省出身の官邸官僚が退場したからだ。これにより外務省が重きをなす外交に戻るとみられるが、自民党では総裁選後、中国に配慮を求める二階俊博幹事長の影響力が強まっており、対中外交に微妙な影を落としそうだ。

 菅内閣が発足した16日、今井尚哉、長谷川栄一の両首相補佐官が退任した。今井氏は安倍前首相の側近として一帯一路への協力のほか、2島先行返還を念頭に置いたロシアとの北方領土交渉を主導。長谷川氏はこれを後押しする日露経済協力を取り仕切った。