ゴーン事件とフランス病 三井美奈

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燃え上がる炎のそばを走るデモ隊=1日、仏パリのエトワール凱旋門近く(AP)

燃え上がる炎のそばを走るデモ隊=1日、仏パリのエトワール凱旋門近く(AP)

 クリスマス商戦が台無しだ。パリは2週連続で催涙ガスや放火、投石で大荒れになった。恋人たちをロマンチックに盛り上げようと、シャンゼリゼ通りにともった赤いイルミネーションは今や、炎と血の色に見える。わが家の階下のカフェも襲われた。

 デモは「ガソリンなどの燃料税を来年1月から引き上げる」という政府方針に抗議する。「黄色いベスト」をシンボルとして自然発生的に広がった。「増税より生活苦を何とかして」(パリの72歳女性)など、マクロン政権そのものへの反発も多い。世論調査では8割がデモを支持する。