言葉のひと解き

働き方改革 「傍(はた)を楽(らく)に」和語が導く本質 清湖口敏

働き方改革は労働環境だけでなく、働く意義を見つめ直すきっかけとなるか
働き方改革は労働環境だけでなく、働く意義を見つめ直すきっかけとなるか

 働き方改革関連法が4月1日から順次施行され、まずは大企業を対象に残業時間の上限規制が罰則付きで設けられた。改革は雇用形態に基づく不合理な格差の解消や産業医の機能強化など多岐にわたっているが、管見の及ぶところ世間では「働き方改革=労働時間の短縮」といった捉え方が専らのようである。過労死や過労自殺が相次ぐなか、その根絶が焦眉の急であることを思えば、当然の成り行きなのかもしれない。

 ◆音から訓へ

 働き方改革がメディアをにぎわし始めた頃、私はあることに気がついた。わが国でこれまで実施された改革といえば、構造改革や規制改革、行政改革、政治改革、郵政改革、選挙制度改革、税制改革などがすぐにも思い浮かぶが、これら全てが音読みの漢語を冠した改革であるのに対し、働き方改革は「働き方」という訓読みの和語が使われている。理知派をもって鳴る人が多いやに聞く政官界では、論理的で硬い印象の漢語が好まれる傾向があるにもかかわらず、話し言葉に近い軟らかな響きの和語が採用されたことは極めて異例のような気がする。

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