から(韓)くに便り

黒田勝弘 夏がくれば思い出すこと

 ソウル駐在初期にあたる1982年8月15日(光復節)の韓国の新聞には「今年の夏はこれまでのどの夏より暑くていらだたしい」という社説が出ていた。当時、日本の歴史教科書の記述がケシカランといって官民挙げて反日運動が盛り上がっていた。これでいくと今年も「どの夏より暑くていらだたしい」ということになりそうだ。

 マスコミは連日、反日キャンペーンを展開し、街ではタクシーが日本人客を乗車拒否したり、食堂が「日本人客出入り禁止」の張り紙を出したりで結構盛り上がった。「最悪の日韓関係」といわれ双方で解決策が模索された。