言葉のひと解き

二足の草鞋(わらじ) 教師は聖職のはずだが… 清湖口敏

神戸市立東須磨小学校の教師4人が同僚をいじめていた問題で、記者会見し謝罪する校長(右)ら=10月9日
神戸市立東須磨小学校の教師4人が同僚をいじめていた問題で、記者会見し謝罪する校長(右)ら=10月9日

 「西瓜(すいか)一つ盗む挙に出るやも知れず」。20代の頃、郊外の畑の西瓜を偶然目にして詠んだ句で、西瓜は盗みたくなるほどうまそうだった(むろん犯行には及んでいない)。念頭には、当時属していた俳句結社の師系にあたる高浜虚子の「先生が瓜盗人(うりぬすびと)でおはせしか」の句があった。瓜泥棒を捕らえてみたら先生だったという驚きの顛末(てんまつ)の中に何とも言えぬ滑稽味を醸しているのは虚子ならではの俳味に違いなく、そんな諧謔(かいぎゃく)に倣おうとしたのが冒頭の拙句である。我ながらよくもまあ、こんな鼻持ちならぬ句を作ったものである。

 ▼救いようない

 TBS系テレビ番組「プレバト!!」でおなじみの俳人、夏井いつきさんは、著書『絶滅寸前季語辞典』で右の虚子の句に触れ、こんな解説まで加えている。〈「瓜」なら盗んでいいとは言わないが、(略)「先生が暴行犯でおはせしか」では、救いようがない〉