「この生活は1、2年続きそうね」と妻がつぶやいた。感染症医でも経済学者でもない筆者は、無責任なことは言えない。でも、緊急事態宣言発表から約2週間たった今、誰も認めたくない「不都合な真実」が徐々に明らかになり始めたようだ。
最初の不都合な真実は「ウイルスを消滅させ、終息させるか、全員がウイルスにかかり病気になるか、のどちらかしか解はない」という横浜市大・佐藤彰洋特任教授の卓見だ。人類の歴史は感染症との戦いでもある。ウイルスや細菌は宿主が死ねば生き残れない。新型ウイルスは感染力は強いが、致死性が低いので手ごわい。ワクチン等(とう)特効薬ができるまでは「生きるか死ぬか」の戦いが長期間続くのだろう。ここまでは分かる。