モンテーニュとの対話 「随想録」を読みながら

(75)カネがなければ刷りなさい 打出の小槌が日本を救う?

横浜市内で臨時休業する飲み屋街
横浜市内で臨時休業する飲み屋街

 新型コロナウイルスの感染拡大が止まらないなか、営業自粛に応じられない店に、怒りや罵倒の張り紙をする事案が何件も発生している。こと命にかかわる問題だけに、卑劣な行為ではあるものの、張り紙をする人の気持ちも分からなくはない。そして、自粛に応じたくとも、生きてゆくためには、非難されようと、何らかの形で営業を継続するしかないという経営者の苦悩も分かる。

 これまでも多くの識者や自治体の首長が主張しているように、営業自粛要請と休業補償はそもそもセットであるべきなのだ。だが、わが国の国債の発行残高は約900兆円に達し、その対GDP比は主要先進国の中で最悪の水準(日本238%、アメリカ107%、ドイツ59%、フランス99%、英国86%、イタリア133%、カナダ88%=2019年度)となっている財政状況では、補償などできない相談、ということらしい。

 このまま自粛要請が続くなら、倒れる中小企業、商店、飲食店が続出することだろう。コロナ禍は収束したものの、見渡してみれば死屍累々と焼け野原…ではあまりに悲しい。

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