佐藤優の世界裏舞台

迷走するトランプ外交

トランプ米大統領=13日、ニューヨーク(AP)
トランプ米大統領=13日、ニューヨーク(AP)

 トランプ米大統領は5月20日、米国の首都ワシントン郊外で6月25日に先進7カ国首脳会議(G7サミット)を開催すると表明した。しかし、ドイツのメルケル首相が新型コロナウイルスの感染が収束しておらず、時期尚早であるとして出席を辞退した。するとトランプ氏は、驚くべき反応を示した。

 <トランプ米大統領は5月30日、6月末頃にワシントン首都圏での開催を目指していた先進7カ国(G7)首脳会議(サミット)を9月に延期すると明らかにした。大統領専用機の機中で記者団に語った。トランプ氏はまた、現行のG7の枠組みは「世界の状況を適切に反映しておらず、極めて時代遅れだ」とし、ロシア、オーストラリア、インド、韓国を加えて「G10またはG11」に拡大したい意向を表明した。G7拡大の意図についてホワイトハウスのファラー戦略広報部長は「中国に対して今後どう取り組んでいくかに関し伝統的同盟国を糾合し話し合うことができる」と説明した>(5月31日の産経ニュース)

 トランプ氏は、ロシアや韓国などの首脳に電話をかけて招待の意向を伝えた。韓国からは肯定的反応があった。

 <トランプ米大統領は1日、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と電話会談し、9月以降に米国で予定する先進7カ国首脳会議に韓国など4カ国を招待する意向を表明したことに関連し、ブラジルを加えたG12への拡大を模索していると明らかにした。韓国の招待について文氏は「喜んで応じる」と謝意を伝えた。韓国大統領府が発表した>(1日の産経ニュース)

 韓国がサミットのメンバーになると、会合で慰安婦問題、徴用工問題、竹島問題などを取り上げてくる可能性が高い。日本にとって面倒な状況が生じる。オーストラリア、インドの参加についても、現在、アジアにおける唯一のG7メンバーであるという日本の地位が脅かされることになる。

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