櫻井よしこ 美しき勁き国へ

日本の正体はひ弱な花

南シナ海上空を飛行する中国の空軍機=2017年10月(新華社=共同)
南シナ海上空を飛行する中国の空軍機=2017年10月(新華社=共同)

 中国湖北省武漢市由来の新型コロナウイルス(武漢ウイルス)は世界各国に国難をもたらし、各国がまとっていた建前を剥がし取り、その正体を暴いた。中国然り、米国然り。日本も同様だ。武漢ウイルスで明らかにされた日本の姿は囲いの中で咲くひ弱な花だ。囲いなしでは間違いなく嵐に打たれて倒れてしまう。

 「花」は十七条の憲法以来、日本人に伝わる利他の心の結晶である。上下の差を超えて皆で合議し、信じ合うことで日本人はウイルスの第1波を乗り切った。ウイルスは日本国の真の姿も暴き出した。わが国は善意にあふれる人々の集合体ではあっても、真っ当な国家ではないという厳しい事実だ。

 国難に対処する緊急事態宣言にはおおむね強制力も命令権もない。国家はひたすら要請する。これでは外国の侵略の前では無力である。

 尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺海域では中国海軍の一翼となった海警局の武装艦群が日々、侵入を続ける。国土も国民も、日本国は他国と同じように自力で守らなければならない。そのためには憲法を改正し、法律を整え、軍事力を強化しなければならない。心身を鍛えて国を守り、国民を守り、価値観を守る当たり前の努力を通して独立国としての国の形を造らずしてどうするのか。