日曜経済講座

米中「知の分断」に備えよ 懸念される、大学の安保意識 中部大特任教授 細川昌彦

北京で開かれたパレードに戦車に乗って参加する中国の兵士。不正流出した技術が中国の軍事に転用されることへの警戒感が各国で強まっている(AP)
北京で開かれたパレードに戦車に乗って参加する中国の兵士。不正流出した技術が中国の軍事に転用されることへの警戒感が各国で強まっている(AP)

 米中対立から懸念されるのは米中間の「供給網の分断」だけではない。「知の分断」も起ころうとしている。日本の大学・研究機関もひとごとでは済まされない。中国の大学・企業との共同研究、資金の受け入れ、研究者・留学生の受け入れなど、中国との向き合い方を見直す必要に迫られている。

 昨年10月、米連邦捜査局(FBI)は大学・研究機関向けに中国がアカデミア(学術界)にもたらす脅威について通達を発出した。中国人の研究者や留学生、中国との共同研究を通じたさまざまな技術窃取の事例を挙げて警鐘を鳴らしている。また今年1月にはノーベル賞候補にもなったハーバード大学の化学生物学部長が中国政府から多額の資金を受け取っていた関連で司法省から刑事告訴されて衝撃が走った。

 こうした懸念が高まっているのは米国だけではない。オーストラリア、英国でも同様の懸念から政府、大学などが対応を迫られている。研究成果の技術が中国において軍事転用される可能性が高いからだ。

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