日本の論点

群馬 豪雨災害…重み増すダム治水

 4月から運用が始まった八ツ場(やんば)ダムの地元、群馬県長野原町はこの夏、ダムを生かした観光に打って出た。湖面を走る水陸両用バスや湖畔のキャンプ場、展望デッキ。町長が「八ツ場ブランド」と命名した戦略は新型コロナウイルスに出ばなをくじかれたかに見えたが、盛況だという。密対策で定員42人の水陸両用バスは6割程度の予約に抑えているが、1日5便、80分の周遊は連日満席。首都圏からの客が見込めない中でも、県内からの問い合わせが引きも切らず、キャンプ場も含め「コロナがなかったら逆にパニックでした」(同町ダム対策課)。

 建設決定から53年、全国的に知名度を上げた機会は過去2回。記憶に新しいのは昨年10月、東日本に甚大な大雨被害を招いた台風19号襲来の際、試験湛水(たんすい)を始めたばかりのダムを2日で満水にして利根川流域の氾濫危機を救った。「ダムがなくても氾濫はしなかった」との反論もあるが、利根川中流域の水位を大幅に下げたのは間違いない。

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