解読

ポスト・コロナの「文化」 不自由と息苦しさの中で私たちは何を生み出せるのか  文化部長・酒井孝太郎

 新型コロナウイルスの蔓延(まんえん)により、芸術や舞台、音楽といった文化の逆境が続いている。新しい生活様式の浸透で、「密」とみなされる領域からカネやヒトが遠のいているためだ。一方、歴史をひもといてみると、感染症のパンデミック(世界的大流行)が新たな文化的潮流を形作ったケースもある。ポスト・コロナの態様は、人々の長い苦悩とともに「動」から「静」へ向かうだろう。

ペストが変えた

 骸骨を積んだ馬車が悠然と人々をひき殺し、赤子を抱いた母親は犬の餌食になろうとしている。しかばねが浮かぶ水辺では、外衣をまとった死に神たちが高らかにラッパを吹きならす。