沖縄考

壕内慰安婦「絶対にありません」 苗子さんに会いたかった

花街時代の伊波苗子さん
花街時代の伊波苗子さん

 会えなかった人がいる。

 伊波苗子さん。沖縄の、元花街の人である。

 苗子さんを知ったのは、那覇支局に赴任する直前の今年5月だ。異動の内示が出て、沖縄在住の旧友に伝えたところ、「歴史好きのお前にもってこいの女性がいる」と教えられた。「かなり高齢だが…」と。

 旧友によれば苗子さんは、辻と呼ばれた花街で暮らす料亭の養女だった。しかし先の大戦の終盤、空襲で辻が焼失すると志願して沖縄守備軍(第32軍)の看護婦となり、牛島満軍司令官の世話係を務める。最後の激戦地となった摩文仁(まぶに)の丘で、牛島軍司令官が自決するのを見届けたのも苗子さんだった。

 なるほど「もってこいの女性」だ。