石平のChina Watch

「工作条例」に見える党内闘争

中国の習近平国家主席=今年7月、北京(AP)
中国の習近平国家主席=今年7月、北京(AP)

 今月13日、中国共産党が党内規則として新たに制定した「党中央委員会工作条例」の全文が人民日報で公表された。その内容に関し、本紙を含む日本の一部のマスコミは「習近平総書記の核心的地位の強化」としているが、そのような側面は確かにある。例えば「工作条例」の第3条では、「習近平思想」が党の指導理念の一つとして明記される一方、「習総書記の核心的地位の擁護」を含む「2つの擁護」という近年の政治的慣用語も登場している。

 第31条では「中央委員会、中央政治局、中央政治局常務委員会のメンバーは“2つの擁護”を政治上の根本的な行動基準としなければならない」と定めている。それは習総書記(国家主席)への忠誠を党指導部全員に求めるものである。こうしてみると、「工作条例」の制定は習総書記の権威強化を意図したものであるとの解釈は成り立つ。だが一方で「工作条例」を丹念に読んでいくと、その中に実は、習総書記の個人独裁をさまざまな側面から牽制(けんせい)するような条項が多く盛り込まれていることに気がつく。