宮家邦彦のWorld Watch

どこへ行く…米の保守主義

米大統領選の討論会で、先にステージを降りるバイデン氏(右)と残るトランプ氏(中央)。奥はメラニア夫人=10月22日(AP)
米大統領選の討論会で、先にステージを降りるバイデン氏(右)と残るトランプ氏(中央)。奥はメラニア夫人=10月22日(AP)

 米大統領選の投票日が5日後に迫った。4年に1度この時期が来るといつも憂鬱になる。勝者予測が求められるからだ。まだ8年前は容易だった。当時は「主要マスコミの多くがオバマ大統領の再選を予測しており、あまり血湧きもせず、肉も躍らない。筆者もこうした見方を翻すだけの新しい情報はない」と確信できたからだ。予測が難しくなったのは4年前。「どちらが当選しても、今回ほど選挙結果に歓喜するより、落胆する人の方が多い大統領選は過去に記憶がない」と書いてお茶を濁すのが精一杯(せいいっぱい)だった。

 トランプ氏当選は予測できなかったが、4年前、筆者は「米国には各州に1つずつ、全部で50の民主党と50の共和党がある」「恐らく今年最大の政治的事件は米国の50の共和党が『壊れ始めた』ことだろう」とも書いた。この点は今も間違っていないと安堵(あんど)する。米国の保守主義が劣化し始めて久しいと思うからだ。さらに、4年前にはこうも書いている。