日本の論点

宮城 減らぬ再犯…官民で就労支援

 東北地方の玄関口、仙台駅から車で約20分。閑静な住宅街の中にひときわ広い土地を持つ建物が見えてくる。宮城刑務所(仙台市若林区)だ。懲役10年以上で犯罪傾向の進んだ受刑者も収容する施設だが、ここは国から「就労支援強化矯正施設」に指定されており、ハローワークの相談員が駐在するなど入所者の社会復帰に力を入れている。その現場を見ることができた。

 「これまでに履歴書を書いたことがある人は?」。講師役を務める就労支援スタッフが問いかけると、緑色の作業服を着た3人の男性のうち2人が手を挙げた。宮城刑務所で行われている就労支援指導の一つで、テーマは「履歴書の書き方」。長期受刑者の多いここでは働くことの必要性、意義などについて考えさせ、自己理解を深めることで出所後の就労定着を目指す。