歴史の転換点から

(2)『大日本』『世界政治の中の日本』-英国発もう一つの「坂の上の雲」が描く国民の歴史

日米戦争を「滑稽」と評した海軍の名参謀、秋山真之(大正4年)。名作『坂の上の雲』の主人公の一人としても知られる(秋山真之会編『秋山真之』から)
日米戦争を「滑稽」と評した海軍の名参謀、秋山真之(大正4年)。名作『坂の上の雲』の主人公の一人としても知られる(秋山真之会編『秋山真之』から)

 「もし日本と米国との間で戦争が起きるようなことがあれば、それは世界史上最大の悲劇の一つとなることだろう」「米国と日本が武力衝突するなどという考えが少しでも脳裏によぎったことのある両国の当事者はみな、それは愚かで不毛であると確信するばかりか、ほとんど狂気のさたであり、その回避に尽力せざるをえないだろう」

日米開戦の予想

 わが国の「近代科学技術教育の父」と称される英国人、ヘンリー・ダイアー。大著『世界政治の中の日本』で正・続(第5~6章)の2部構成とし、全体の4分の1強を費やしたテーマ「日本と太平洋地域」のなかで当時61歳の彼はそう繰り返している。