宮家邦彦のWorld Watch

恐るべし、露サイバー攻撃

ロシアのプーチン大統領。旧KGB出身者でもある (AP)
ロシアのプーチン大統領。旧KGB出身者でもある (AP)

 12月12日、週末にもかかわらず、米国家安全保障会議の緊急会合が招集された。議題は何者かによる長期かつ大規模なハッキング事件。国務省、財務省、国土安全保障省など主要公官庁に限らず、北米、欧州、アジア、中東各地の技術、電気通信、石油ガス業界主要企業2万社近くが被害に遭った可能性もあるという。この事件、いまだ全貌は不明だが、もし報道通りロシアの仕業であれば、同国にとって約5年ぶりの「大勝利」。これを日本は如何(いか)に受け止めるべきなのか。今回はこの話を掘り下げてみたい。

下手人は誰か

 報道によれば、犯行はAPT29と呼ばれるハッカー集団の仕業とみられるが、彼らは悪名高き旧ソ連KGBの後継であるロシアSVR(対外情報局)の工作員である可能性が高い。2014~16年にも数千の各国政府機関・企業を対象に大規模ハッキング事件を起こしたとみられている。その被害組織の一つが米民主党全国委員会であったことはあまりにも有名な話だ。