北の周辺海域で中国船密漁横行 背景に双方の利害一致 

 国連による経済制裁が科されている北朝鮮の周辺海域で、各国の監視の目を逃れた中国漁船による違法操業が多発していることが、衛星写真などのビッグデータを分析した国際NPOの調べで分かった。背景には経済制裁で困窮する北朝鮮と、漁獲高の拡大を狙って地球の裏側まで進出しようとする中国漁船との利害の一致があるようだ。(荒船清太)

まるで幽霊船

 日本、北朝鮮、韓国、ロシア沿海州などで囲まれた日本海周辺の地図。国連海洋法を批准していない北朝鮮が一方的に経済的主権の及ぶ排他的経済水域(EEZ)だと主張するこの海域に、2017~18年に中国近辺から出港したとみられる漁船を示す無数の点が、密集して記されている。

 地図を作製したのは国際NPO「グローバル・フィッシング・ウオッチ」(GFW)。IT大手グーグルのビッグデータ分析のためのAI技術などを使い、持続的な漁業の実現のため独自の監視活動をしている。

 衛星の赤外線画像やレーダー画像、船舶同士の衝突を避けるために各船が発する船舶自動識別装置(AIS)の電波情報など、さまざまなビッグデータを駆使し、これまで「幽霊船」のように各国当局の監視の目を逃れてきた中国漁船による大規模な密漁の実態を、初めて可視化した。