宮家邦彦のWorld Watch

2021年に「起きないこと」

4日に年頭の記者会見に臨んだ菅義偉首相。緊急事態宣言について述べたほか、日米関係や中国、北朝鮮の問題についても言及した =首相官邸(萩原悠久人撮影)
4日に年頭の記者会見に臨んだ菅義偉首相。緊急事態宣言について述べたほか、日米関係や中国、北朝鮮の問題についても言及した =首相官邸(萩原悠久人撮影)

 謹賀新年、本年もよろしくお願い申し上げる。昨年はコロナ禍のせいでヒトとモノの流れが変わり、多くは対面からネット上へ移った。されど、国際関係の大局は変化なし。昨年、筆者は(1)ユーラシア大陸の複数のランドパワー帝国が再び「力による現状変更」を志向し、(2)大陸周辺諸国が諸帝国の勢力下に組み込まれ、(3)これをシーパワーが結束して牽制(けんせい)し始める、(4)アジアの戦域は海上中心、西太平洋、インド洋・ペルシャ湾の一体性が一層重要になる-などと書いた。今年は2021年に「何が起きないか」を勝手に予想してみよう。

 〔1〕中国は米国に屈しない

 中国がコロナ禍を真に克服できたかは不明だが、当面は「封じ込め成功」を誇示するはずだ。習近平国家主席は予測可能性の高い米バイデン政権との取引を志向するが、中国が経済や安全保障で大幅譲歩することはない。逆に、気候変動問題では米大統領特使に就任する見通しのケリー氏の足元を見るだろう。