田村秀男の経済正解

習政権、デジタル人民元で世界を恐怖支配

 中国・習近平政権によるドル基軸通貨体制侵食が始まった。習政権の戦略は段階的で、まずは香港民主派の一掃によってドル金融センター、香港を完全掌握する。同時並行で、中国電子商取引最大手、アリババ集団を強権支配する。アリババが構築したデジタル決済ネットワーク基盤の上に共産党が支配する発券銀行、中国人民銀行が発行するデジタル人民元を国内で普及させる体制を年内に整える。総仕上げは拡大中華経済圏構想「一帯一路」の沿線国・地域や貿易相手国に浸透させていくシナリオだ。

                ■ □ ■

 昨年半ばから年明けにかけての習政権による数々の強権行使は、散発的ではなくドルと人民元を撚(よ)る一本のスジでつながっている。昨年6月に香港国家安全維持法(国安法)施行を強行し、国際金融センターを中国共産党の監視・統制下に置いた。アリババを筆頭に中国企業を香港市場に続々と上場させ、香港株価をつり上げ、強欲な西側の機関投資家、投資ファンド、大手金融資本を引き寄せ、それを人質にして西側の対中制裁発動を控えさせた。