日本の論点

長野 温暖化防ぐアルプスの雪守れ

 昨年末から今年にかけて、北陸や東北で大雪による交通まひが立て続けに発生した。ときに大災害も引き起こすが、高山に降る雪は春や夏まで残って気温の上昇を抑え、乾燥しがちな内陸に潤いを与えて緑を守ってきた。いわば氷期(氷河期)の残党が、土俵際で踏ん張って温暖化の暴走を食い止めている。

 長野に赴任して4カ月になる。登山をたしなむ私にとって3千メートル級の山々がそびえる日本の屋根は憧れの地だ。山頂付近には夏でも雪が残り、シロップや練乳をかけて天然のカキ氷を楽しめる場所も多い。最近、北アルプスで国内7つ目の氷河「唐松沢氷河」が確認された。氷河は翌年まで解け切らず流動するものを指すが、準ずるものを含め大量の雪が高嶺(たかね)にある。