田村秀男の経済正解

菅さん、麻生さん 財政はバイデン政権を見習え

 前回(1月30日付)の本コラム「政府債務は財政出動の障害ではない」の記事のコピーを、アベノミクスの指南役だった米国在住の浜田宏一エール大学名誉教授に電子メールで送ったら、教授から「政府債務のこと100%同感です。未来世代の厚生は国全体の生産能力にかかっているので政府の財務状態によるのではないというラーナーの直観が忘れられていると思います」との返信を頂いた。

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 「ラーナー」とは1903年生まれ、1982年に亡くなったケインズ派経済学の大家だ。政府の財政政策は完全雇用と物価の安定の実現を優先すべきで、財政支出拡大が公的債務を増やそうとも気にすべきでないと論じると、積極財政理論の元祖であるケインズですら驚いたそうだ。ケインズはラーナーの理論を熟慮した上で、「完全無欠だ」と認めたが、「それを一般人に認めさせようとするなら天の助けが必要だろう」と慨嘆したと聞く。