耳目の門

(30)特別記者・石井聡 民主主義の危機 米国だけが心配なのか

2019年9月、広島市のホテルで開かれた政治資金パーティーで、ステージに立つ河井克行被告(右)と、妻の案里前参院議員
2019年9月、広島市のホテルで開かれた政治資金パーティーで、ステージに立つ河井克行被告(右)と、妻の案里前参院議員

 今年初め、米大統領選に起因して連邦議会議事堂が暴徒に襲撃・占拠された事件は、深刻な社会の分断とともに米国民主主義の危機を醸し出した。「アメリカは常に自由や民主主義といった重要なものの象徴だった」(ジョンソン英首相)、「ワシントンで起きたことは『アメリカ』ではない」(マクロン仏大統領)などと、自由主義陣営の首脳たちも衝撃を口にした。

 こうした事態が今の日本で起きるとは想定しにくい。それは幸いだが、ならば日本の民主主義は安心だと胸を張れるだろうか。選挙違反や職務権限にからむ汚職など、国会議員をめぐる事件が近年、同時多発的に起きた。だが、政治家の危機感はあまりにも薄く、具体的な対応も乏しい。