宮家邦彦のWorld Watch

米が軍事行動 今、中東で何が

サウジアラビアのムハンマド皇太子。ジャーナリスト殺害を「承認した」とする米国家情報長官室の報告書が公表されたが、その背景には- =2018年10月24日(ロイター)
サウジアラビアのムハンマド皇太子。ジャーナリスト殺害を「承認した」とする米国家情報長官室の報告書が公表されたが、その背景には- =2018年10月24日(ロイター)

 先週米軍が、シリアにある親イラン系の武装グループ施設を空爆した。バイデン政権初の軍事行動だったが、なぜ今、しかも中東なのか。ほぼ同時期、米諜報機関はサウジアラビア皇太子が同国の政敵ジャーナリスト殺害を承認したと公表した。ホルムズ海峡周辺のオマーン湾ではイスラエル貨物船が攻撃を受けた。中東で一体何が起きているのか。筆者の見立てはこうだ。

本質は米イラン代理戦争

 ハンムラビ法典の「目には目を」を地で行く中東の事件には必ず因果がある。2月25日の米軍空爆も、直接には15日に起きたイラク北部の米軍基地に対する攻撃への報復だ。だが、これら一連の動きは必ずしも単なる「報復の連鎖」ではない。米国とイランは基本的に直接は戦わない。筆者は一連の動きを、トランプ政権発足以来再び激化した米国とイランの間の静かな代理戦争の一局面と見ている。