解読

台湾海峡危機、新たな不安 バイデン政権の不透明な「対中姿勢」 台北支局長・矢板明夫

 米国のバイデン政権が1月20日に発足して以降、中国は台湾に対し軍事的、外交的な圧力を強めている。台湾海峡上空に軍用機を頻繁に出動させ、挑発行為を繰り返すほか、主要農作物の台湾産パイナップルを禁輸とするなど経済面で実質的制裁を始めた。米国は駆逐艦を台湾海峡に派遣するなど、台湾支持の姿勢を示しているが、対中融和的姿勢を時折見せることもあり、台湾の外交関係者を不安にさせている。「バイデン政権下で台湾海峡危機は高まりつつある」と警告する軍事専門家もいる。

前政権との落差

 台湾が実効支配している南シナ海の離島、東沙(とうさ)諸島に駐屯する海巡署(海上保安庁に相当)と台湾海軍陸戦隊(海兵隊)は3月1日、中国軍による武力侵攻を想定した軍事演習を実施した。同23日に台湾がスプラトリー(南沙)諸島で実効支配するもう一つの離島、太平島(たいへいとう)でも同様の演習が行われる。