湯浅博の世界読解

自由世界連携が中国衰亡のタネ

 東洋は興隆し、西洋は衰退していく「東昇西降」の機運が、中国指導部の中南海で横溢(おういつ)しているようだ。習近平国家主席の側近で、中央政法委員会の高官が1月の会合で漏らしたと伝えられる。

 「東昇西降は流れであり、国際情勢はわれわれに有利になっている」

 確かに、富国強軍を掲げる全体主義国家が、自由世界の覇者である米国と肩を並べる時代が目前に迫っている。2025年までの中国「第14次5カ年計画」が終わるころには、米国の国内総生産(GDP)に手が届きそうだし、35年までの成長モデルを大言壮語する。

 北京で開かれた全国人民代表大会(全人代)を報じる国営メディアには、どこか米国を侮る空気がにじみ出た。民主主義政治の分裂と、コロナ禍で50万人超を死なせたことへの蔑(さげす)みだ。早ければ28年には、中国が世界ナンバーワンの経済大国に躍り出るとの予測もあり、その含み笑いが隠せない。