解読

「ナワリヌイ革命」鍵握るエリート層 外信部次長、前モスクワ支局長 遠藤良介

暴露情報はプーチン体制流動の兆し

 ロシアで1月、毒殺未遂に遭った反体制派指導者、ナワリヌイ氏の拘束に抗議する2度の反政権デモが行われた。広範なデモはプーチン体制への不満の高まりを印象づけたものの、治安当局によって粉砕され、ナワリヌイ陣営は当面の街頭行動中止を余儀なくされた。「ナワリヌイ革命」の成就にはデモだけでは事足りず、体制内部でプーチン大統領から離反する動きが強まる必要がある。

4割が初抗議

 1月のデモは小規模なものを含めて23日に110都市、31日に80都市以上で行われ、全国的な広がりを見せた。ナワリヌイ氏拘束への怒りもさることながら、同氏の陣営が19日、プーチン氏に「隠し宮殿」があるとインターネットの動画で告発したことが従来の無関心層を引きつけた。ある調査によれば、23日のデモでは「初めて街頭の抗議行動に出た」という人が4割にのぼった。