日本の論点

鳥取 金がなければ頭を使う

 「親しき仲にもマスクあり」。新型コロナウイルス感染拡大の第3波に襲われた昨年末から今年1月初めにかけ、鳥取県は県広報でこんなメッセージを発信した。平井伸治知事が考案したダジャレ(キャッチフレーズ)のネタで、知事自らテレビに登場、子供たちも口にするほどに浸透した。これこそ、かつて「スタバ(スターバックスコーヒー)はないけど日本一のスナバはある」というフレーズで鳥取県の知名度を上げた平井知事の戦略だ。

 「東京下町生まれで子供のころから落語を聞き、シャレをイキに思っていた」という平井知事がダジャレを情報発信に使い始めたのは、平成24年のテレビ取材がきっかけだった。取材のテーマは「全国で唯一スタバがない県」。平井知事は「鳥取市は全国2位のコーヒー消費量」などと用意したコメントをしゃべり続けたが、テレビ局が使ったのは「スナバはある」のフレーズだけ。ところが、これがインターネット上で話題となり、鳥取砂丘の注目度が上がった。このとき、知事は「自虐テイストで鳥取の魅力をアピールすれば効果的」と気づいたという。