台湾日本人物語 統治時代の真実

(27)「太平洋の女王」を救え 基隆築港部長・吉村善臣の奮闘

 日本郵船の豪華客船「浅間丸」(約1万7千総トン)は昭和4(1929)年竣工(しゅんこう)、欧米勢が優位に立っていたアジアと米西海岸間を結ぶ太平洋横断航路に投入される。横浜-ホノルル-サンフランシスコを12日間あまりで結び、優雅な容姿から、「太平洋の女王」と呼ばれた。

 その設備と性能は欧米の豪華客船に勝るとも劣らない。全長178メートル、最大速力20・71ノット。旅客定員は1等の239人をはじめ、計839人。1等公室は、英クラシック調でデザインされ、船内には、ダイニングルーム、映画室、プール、ジム、カードルームなどのほか、老舗(しにせ)百貨店の出店まで設けられていた。