湯浅博の世界読解

居眠りジョーがトルーマンに

 あの日、「居眠りジョー」は第2次冷戦の戦士へと脱皮したのだろうか。ジョー・バイデン米大統領が3月25日、就任後初の記者会見で、米中関係を「民主主義と専制主義の闘い」と位置づけ、「中国との競争を制する」と誓約したからだ。額面通りなら、戦後の米ソ冷戦を始動させたハリー・トルーマン元大統領のように米中冷戦を戦う大統領への目覚めである。

 大統領による二極対立の宣言は、バイデン氏が副大統領として仕えたオバマ元大統領の対中配慮からはほど遠い。しかも、対中貿易赤字に固執したトランプ前大統領の対中認識よりも、民主主義の価値観を吹き込んだ分だけ後に引けなくなる。会見ではむしろ、トルーマンの対ソ観とよく似た冷戦用語でインド太平洋のいまを語っていた。