日本の論点

静岡 飲む以外もお茶の需要拡大へ

 江戸期の俳人・松尾芭蕉の句に「駿河路や花橘も茶の匂ひ」がある。全国を旅した芭蕉が東海道を西に向かう途中、駿河(現在の静岡県の一部)では臭いが強いタチバナより茶の香りのほうが勝ったと島田宿(現在の同県島田市)で詠んでいる。昔から静岡は「お茶どころ」という印象だ。実際、同県によると明治16年以降、生産量「日本一」を誇ってきた。ところが、ここに来て「日本一」の称号を失うピンチに直面している。

 農林水産省の統計によると、製品として仕上げる前の「荒茶」の令和2年の生産量で、静岡県は天候不良のため前年比14・5%減ながら2万5200トンで全国1位を維持。ただ、近年猛追する2位の鹿児島県とは1300トンという僅差だった。