解読

五輪は一過性の娯楽なのか スポーツと未来、開催意義の議論を 運動部・論説委員 森田景史

 今夏の東京五輪・パラリンピックは強い向かい風にさらされている。新型コロナウイルスの変異株が猛威を振るい、約8割が「中止・再延期やむなし」とした世論調査もある。観客を入れたスポーツイベントではしかし、深刻な感染拡大はみられず、東京大会の参加選手団へのワクチン提供という朗報も届いた。開催の可否だけが感情的に議論される現状は過剰反応にも映る。開催意義を冷静に考える時間はまだ残っている。

 大型連休中の5月4日、元日本サッカー協会会長の川淵三郎氏による会員制交流サイト(SNS)への投稿が、波紋を呼んだ。川淵氏は大会組織委員会の評議員。森喜朗前会長の辞任に際し、後任として名前の挙がった人でもある。