自動車春闘 「ベア前面」攻防に変化 統一要求示さず

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経団連が開いた審議員会に出席し、中西宏明会長(左)と握手する安倍晋三首相=26日午後、東京都千代田区(宮川浩和撮影)

経団連が開いた審議員会に出席し、中西宏明会長(左)と握手する安倍晋三首相=26日午後、東京都千代田区(宮川浩和撮影)

 平成31年春闘で、安倍晋三首相が経済界に6年連続で賃上げを要請した。相場の牽引(けんいん)役である自動車産業では、従業員の基本給を一律に引き上げるベースアップ(ベア)を前面に出した攻防が注目されてきたが、31年はがらりと変わりそうだ。自動車総連がベアの統一要求額を示さない手法に転換したほか、全トヨタ労連も各労働組合に定期昇給を含めた総額での要求を促す方針。傘下のトヨタ自動車労組も、ベアに相当する賃金改善分の要求額を示さない方向で検討している。労使ともに、大企業と中小企業との賃金格差を是正したいという問題意識が背景にある。