もたつく景気 10月消費税増税なら「10~12月はマイナス成長」の声も

SMBC日興証券の宮前耕也氏
SMBC日興証券の宮前耕也氏

 4月の景気動向指数で、基調判断は「悪化」で据え置かれた。夏の参院選や10月の消費税率の10%への引き上げを控える中、政府は景気のもたつきが一時的なのかどうか難しい判断を迫られそうだ。消費税増税について市場関係者の多くは予定通りの10月実施を基本シナリオとみるが、「100%そうだとはまだ言い切れない」との声もある。

 農林中金総合研究所の南武志氏は予定通り10月に10%へ引き上げるとみる。政府は今年度予算に約2兆円の消費税増税対策を盛り込み、「増税後の消費低迷を回避するための大盤振る舞いの対策」を講じているからだ。また、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの小林真一郎氏も「世の中は10月の増税に向かって動いており、やらないとなれば混乱が生じる」と話す。