デジタル人民元 国際通貨にならない 黒田日銀総裁が見解

人民元の紙幣(ロイター)
人民元の紙幣(ロイター)

 日本銀行の黒田東彦総裁は産経新聞の単独インタビューで、欧州中央銀行(ECB)など5つの中央銀行と連携して調査・研究を始めた法定デジタル通貨について、「技術の進歩や国際的な金融環境の変化を踏まえると、将来的には必要になる可能性もある」との見方を示した。ただ、現時点では発行計画がないことを改めて強調し、6中銀が連携して米ドルに代わる合成基軸通貨を作るアイデアについては明確に否定した。

 デジタル通貨は財産的な価値を持つ電子データで、スマートフォンを使って送金などの金融サービスを安価に利用できる。黒田総裁は「(現金を使わない)キャッシュレス化は進んでいる。中銀の通貨として紙幣だけでなくデジタル通貨があってもよい。より(金融が)効率的になるかもしれないという議論がある」と期待感を示した。

特集:日銀 金融政策