日曜経済講座

新型コロナ封じ込め策に早期緩和論 「人命か、景気か」米国で論争 ワシントン支局・塩原永久

25日、ホワイトハウスで新型コロナウイルス対策について記者会見するトランプ米大統領、ファウチ国立アレルギー感染症研究所長、ペンス米副大統領(右から)=ロイター
25日、ホワイトハウスで新型コロナウイルス対策について記者会見するトランプ米大統領、ファウチ国立アレルギー感染症研究所長、ペンス米副大統領(右から)=ロイター

 新型コロナウイルスの感染者が急増している米国で、外出規制などの感染症対策がとられ、客が途絶えた飲食店などを中心に失業者が急増している。感染者の症状が比較的軽微なケースが多いとの見方から、景気への打撃があまりに大きい対策を早めに緩和し、経済活動を再開すべきだという議論が出始めた。ただ、感染症の封じ込め策が不十分に終われば感染が再び勢いを増す恐れもあり、米政府は難しいかじ取りを迫られている。

 トランプ米政権は13日、新型コロナ対策を強化するため国家非常事態を宣言。これを受け、感染が急ピッチで広がる東部ニューヨーク州が20日、住民に不要不急の外出禁止を指示した。住民に在宅を命じた州はすでに十数州に達し、約3億3千万人の米国民の半数が自宅滞在を余儀なくされている計算になる。