ウクライナとロシアの留学生起業の越境EC、紛争越えて大阪で快走

ゼンマーケットを共同で創業したビヤチェスラブ・スロベイさん(左端)、アンドリイ・ナウモブさん(左から3人目)ら4人=大阪市西区
ゼンマーケットを共同で創業したビヤチェスラブ・スロベイさん(左端)、アンドリイ・ナウモブさん(左から3人目)ら4人=大阪市西区

 旧ソ連のウクライナとロシアの対立を招いたウクライナ東部紛争が勃発した2014年に、両国の留学生4人が協力して立ち上げたインターネット通販企業「ゼンマーケット」(大阪市西区)がビジネスを拡大させている。海外で日本の商品を簡単に購入できるサービスを展開し、19年度の売上高は40億円を突破する見込みだ。紛争では1万3千人超の犠牲者が出たが、留学生らは手を取り合い事業を成功させた。新型コロナウイルスの感染拡大でも各国の“巣ごもり消費”需要をとらえ、堅調に商売を展開している。(黒川信雄)

会員68万人、売上高40億円

 「日本人や、日本で働きたい海外出身者に幅広く雇用を提供できている」。共同創業者でウクライナ人のアンドリイ・ナウモブさんはこう胸を張った。増床したばかりのオフィスでは、15カ国・地域出身の50人ほどの社員がパソコンを利用して商品の発送作業などを行っている。

 ゼンマーケットは「越境電子商取引(EC)」と呼ばれる業態で、同社のサイトを介し海外から日本の通販やオークションサイトの商品を購入できる。日本の商品は海外で人気が高いが、通関手続きや国ごとに異なる規制などで購入・販売のハードルは低くない。同社はそれら面倒な手続きを代行している。

 当初はロシア語圏を主要な市場にしていたが、スタッフの増員などを通じ、現在はロシア以外の欧米やアジアなどにも広げている。手数料を安く抑え、料金体系を分かりやすくしたことで利用者が増え、各国で計約68万人が会員に登録。他社の通販サイトを介さずに、利用者が直接商品を出品・購入できる自社サイトの運営も始めている。

紛争深刻化も仕事にまい進

 事業の立ち上げは容易ではなかった。大阪大大学院で博士課程を修了したナウモブさん以外の創業メンバー3人は関東の大学に留学していた。資金もわずかだったが、ナウモブさんが「必ず成功できる」と説得し、大阪に呼び寄せた。

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