仕事考 検証 働き方改革1年

(下) 「モーレツ」撲滅 理想と現実

 平成28年9月、政府が設置した働き方改革実現推進室の開所式で、安倍晋三首相は「非正規という言葉を一掃し、長時間労働を自慢する社会を変えていく。『モーレツ社員』という考え方自体が否定される日本にしたい」と宣言した。

 働き方改革は、少子高齢化に伴う労働人口減を見据え、安倍政権が鳴り物入りで進める労働政策だ。首相は令和2年1月20日の国会の施政方針演説でも、「ライフスタイルの多様化は時代の必然だ。働き方改革を皆さんとともに進めていこうではありませんか」と改革への協力を呼びかけた。

 改革の柱となった残業時間の上限規制は、首相自ら労使双方のトップに働きかけ、罰則付きの厳しい制度を実現した。

 ただ、首相の理想に社会が追い付いているかといえば疑問符がつく。特に4月から残業規制が適用される中小企業への影響は、大企業に比べて人手や資金面などで劣るだけに深刻だ。自民党の支持層には、中小の経営者も多いだけに、党内では懸念の声もあがる。

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