藤本欣也の香港探訪

アジア最大の外国人墓地をゆく(中)からゆきさん58人の声なき声

香港の外国人墓地で最も古い日本人の墓(中央)=香港墳場(藤本欣也撮影)
香港の外国人墓地で最も古い日本人の墓(中央)=香港墳場(藤本欣也撮影)

 香港の外国人墓地「香港墳場」は、香港島・ハッピーバレーの山の斜面に広がっている。墓の数は約9000基といわれ、アジア最大の外国人墓地だ。日本人の墓も少なくなく、227基の墓碑に近代日本の歩みそのものが刻み込まれている。

     

 香港墳場が正式に開設されたのは、アヘン戦争を経て香港が英国の植民地になってから3年後の1845年。日本は江戸時代末期、ペリー米艦隊が浦賀沖に現れる8年前のことである。

 香港の歴史家、高添強氏(56)によると、そのころすでに日本人が香港にいた記録が残っているという。船が難破した後、外国船に救助され、香港周辺に連れてこられた日本の元漁民たちとみられている。

 「江戸幕府は鎖国政策をとっていたので、図らずも国禁を破ってしまった彼らは、現地にとどまる道を選ぶほかなかったのでしょう」と高氏は解説する。

 そして、この外国人墓地に当時の日本人が1850年ごろに建てた墓が残っているのだ。その日本人は、「アドニア」と呼ばれていた。

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