経済#アナトミア

苦境の孫氏、再び輝けるか ソフトバンクG、虎の子資産切り売り

投資先の含み益で好業績を上げてきたソフトバンクグループの孫正義会長兼社長 (三尾郁恵撮影)
投資先の含み益で好業績を上げてきたソフトバンクグループの孫正義会長兼社長 (三尾郁恵撮影)

 新型コロナウイルスの感染拡大によって、ソフトバンクグループ(SBG)の孫正義会長兼社長が岐路に立たされている。足元では株価下落や財務悪化に対応するため、中国アリババグループの株式など“虎の子”の資産の切り売りを決断。苦境から抜け出すには投資先から「第二のアリババ」が生まれるかどうかにかかっている。孫氏はコロナ後の世界で再び輝きを取り戻せるのか-。

「第二のアリババ」誕生がカギ

 「上り坂を駆け上ったユニコーンが突然のコロナの谷にどんどん“落馬”している状況だ」

 5月中旬の決算会見で孫氏は、企業価値が10億ドル(約1070億円)以上の未上場企業で、その珍しさから馬に似た伝説上の生き物に例えられる「ユニコーン企業」が、新型コロナ下であえぐ状況をこう表現。約10兆円を運用する「ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)」の投資先88社のうち、「15社くらいは倒産するのではないか」とシビアな見方を示した。

突然「コロナの谷」

 実際、令和2年3月期にSVFでは投資先の価値が下落して約1兆9千億円もの投資損失が生じ、業績も創業以来最悪の赤字に。将来有望なAI(人工知能)関連のユニコーンに積極投資して含み益を伸ばし、投資先も広げてきたが、新型コロナによる景気悪化で逆回転を引き起こした。