日本の論点

九州 鉄路の代替となるか「BRT(バス高速輸送システム)」

九州北部の豪雨で被災したJR日田彦山線の大行司駅。今もきれいに清掃されていた=福岡県東峰村(松岡達郎撮影)
九州北部の豪雨で被災したJR日田彦山線の大行司駅。今もきれいに清掃されていた=福岡県東峰村(松岡達郎撮影)

 豪雨や台風がいつ、どこで被害をもたらすか分からなくなった日本列島。災害が地域の不都合な真実を白日のもとにさらすことがある。平成29年7月の九州北部豪雨は福岡、大分両県にまたがるJR九州の日田彦山(ひたひこさん)線を寸断し、このローカル線の維持が危ぶまれていた現実を浮き彫りにした。沿線自治体などは地域の持続可能な交通手段をめぐり協議。曲折を経て5月末、鉄道での復旧を断念し、一部を専用道にするバス高速輸送システム(BRT)への転換を容認して事実上決着した。

 日田彦山線は、北九州市と筑豊地方、大分県日田市を結ぶ68・7キロの非電化路線だ。3年前の豪雨で被害に遭い、添田(福岡県添田町)-夜明(日田市)の29・2キロが不通となった。当然、JR九州と沿線自治体による復旧会議は「自然災害で途絶した鉄道は原則として(鉄道で)復旧する」(赤羽一嘉国土交通相)方向で協議が進むとみられたが、被災前の28年度に約2億6千万円の赤字となった同線の収支状況がそれを許さなかった。

 沿線で産出した石炭を運ぶ貨物列車が走り、旅客需要も堅調だった同線だが、炭鉱が閉山されて沿線の過疎化が進行するとともに旅客が減少。添田-夜明の1キロ当たりの1日平均乗客数(輸送密度)は28年度に131人と、昭和62年度の約5分の1の水準だ。

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