経済インサイド

アフリカのバッタ大発生、被害拡大 コロナと“負の連鎖”

 アフリカ東部や中東イエメンのほか、インドなどの南西アジアで、大発生した「サバクトビバッタ」が農作物を食い荒らす被害が深刻化している。国連食糧農業機関(FAO)は事態の沈静化には時間がかかるとしており、アフリカ東部では2500万人以上、イエメンでは1700万人が食料不足に陥るとの予測もある。新型コロナウイルスの感染拡大が食料の安定供給確保を脅かしている中で、新たな懸念の台頭が「負の連鎖」を招きかねない。(経済本部 森田晶宏)

パキスタン南部シンド州の住宅街を移動するバッタの群れ=5月8日(ゲッティ=共同)
パキスタン南部シンド州の住宅街を移動するバッタの群れ=5月8日(ゲッティ=共同)

「勝利宣言」は遠く…

 「意義のある進歩はみられるが、戦いは長く、新たな地域に拡大している」

 FAOの屈冬玉・事務局長(中国出身)は5月、サバクトビバッタの被害に関して厳しい認識を示した。「われわれがまだ勝利を宣言できないのは明白だ」

 被害地域は、アフリカ大陸東端の半島部分にあたる「アフリカの角」や、対岸の中東イエメンにとどまらず、南西アジアのインドやパキスタンに拡大した。

 足元の大発生は、アフリカ東部のケニアやウガンダでは75年ぶり、ソマリアとエチオピアでは25年ぶりという。米CNNによると、インドでは約30年ぶりの規模で発生し、当局が対応に躍起だ。アフリカ西部もリスクが懸念されている。

 サバクトビバッタの寿命は3カ月から6カ月程度だが、世代を重ねることで増殖が進んでいく。いくつかの国では時季外れの大雨が降ったことで、サバクトビバッタのエサとなる草が大量に生え、サバクトビバッタの成長や増殖に追い風となる環境がつくられた。

 「世界で最も破壊的な移住性の害虫」-。FAOはサバクトビバッタをこう表現する。多食性で、人が口にする農作物だけでなく、家畜の飼料となる草なども食べる。成虫は日々、自らの体重とほぼ同じ約2グラムを消費。成虫の群れは1平方キロメートル当たり4000万~8000万匹が密集し、4000万匹の群れは3万5000人分を食べ尽くす。

新型コロナに追い打ち

 主な駆除手段は殺虫剤の散布だが、課題もある。

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