粂博之の経済ノート

レジ袋有料化 環境立国への試金石

 容器リサイクル法の省令改正により、7月1日からレジ袋が有料になる。すでに自主的に有料化している店舗は多く、買い物用のマイバッグの新商品も続々登場している。しかし、環境への負荷を軽減する効果はさほど大きくなさそうで、政府の説明も「その袋が本当に必要か考えてもらうきっかけに」と控えめだ。ただ、レジ袋の周辺に目を向けると、そう悠長に構えてもいられない事情が浮かび上がる。

広がる取り組み

 レジ袋28億6996万枚の使用を削減し、二酸化炭素(CO2)排出を8万8395トン減らした-。レジ袋有料化を進めてきた流通大手、イオンの令和元年度の成果だ。今年4月からは、ドラッグストアのウエルシアやコンビニエンスストアのミニストップなどでも取り組みを進め「グループほぼすべての小売り店舗で無料配布を終了した」。

 イオン以外の流通各社でも有料化は広がっており、環境負荷を低くする植物由来などのバイオマス原料を配合したタイプへの切り替えも進んでいる。

 7月以降もバイオマス配合が25%以上だと無償提供できるが、コンビニなどの大手業者の大半は有料化。総菜のロック・フィールド(神戸市)もバイオマス配合の袋を有料で提供する。「より環境負荷を引き下げるため」としており、量り売りに使うプラスチック容器の使用削減策も検討するという。

 今後、需要増が見込まれるマイバッグは、使い勝手やデザインにこだわったものが登場している。例えば、クロスプラス(名古屋市)は、ポーチ付きで簡単に折りたためるタイプ(528円~)を発売。ノースオブジェクト(大阪市)は、洋服の切れ端を使った布製(400円)で、消費者の環境意識に訴える。

効果は軽微なようだが

 流通業界がこぞって有料化、削減に取り組むレジ袋。どれほどの資源を使い環境に負荷をかけているのだろうか。