コロナ 新たな日常

テレワーク、価値観との葛藤 メリット多大も心理的に壁

 新型コロナウイルスの出現が、人々の生活を変えつつある。その傾向は5月25日の緊急事態宣言解除から1カ月たった今も同様だ。人が集まることで効率よく運用されてきた仕事の「濃密さ」は変容を余儀なくされている。家族や恋人の距離、人を思う気持ちのあり方さえ変えていくかもしれない。収束後も続くであろう「ニューノーマル(新常態)」の社会は、私たちが見たことのない世界への入り口なのか。

 「今のままでは日本のテレワークは機能しない」

 日本列島が緊急事態宣言下の大型連休に突入していた4月30日、モーター大手「日本電産」(京都市)の永守重信会長は決算説明会で危機感をあらわにした。

 創業者として精密小型モーターを主力事業にM&A(企業の合併・買収)を重ね、同社を連結売上高1兆5千億円以上という世界一の総合モーターメーカーに成長させた永守会長は「元日の午前中を除き365日働く」と公言する“モーレツ経営者”だ。母親の「人の倍働け。人の倍働くと成功する」との言葉を胸に、社員にもハードワークを求めてきたが、買収した欧州企業の働き方を見て考えを転換。「生産性を2倍、残業をゼロに」を今年までの目標に掲げる。

 欧米企業では定時に帰宅し、長期休暇も取得する一方、成果主義の人事評価でオフィスは緊張感が保たれている。これに対し、日本企業のオフィスは「相互監視」状態だ、とみる永守会長は「日本人は自己管理ができず、誰かの指示を待つ。テレワークになれば自分で考え、(意識の)変革を起こさなければいけない」と指摘する。

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